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2021/9/24配信メールマガジンアーカイブ


 

【Vol.14】金融機関における人材紹介の件数を増やす方法


第13回に続き、地域金融機関における人材紹介業務を成功させる秘訣についてお送りいたします。


前回のテーマは「金融機関における人材紹介業務の立ち上げで意識すべきこと」でした。


今回のテーマは「金融機関における人材紹介の件数を増やす方法」です。
(今後も当メルマガのテーマは、皆様からの御意見・御質問をもとに作成していきます)
https://www.chihousousei-hiroba.jp/recruitment/recruitment_NEW_inquiry.html


以下4つのポイントに沿ってお伝えしていきます。
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1. 金融機関における人材紹介の案件数を増やす方法
2. 営業店との連携強化について
3. 取引先へのアプローチの多角化について
4. KPI設定とPDCAについて
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【1. 金融機関における人材紹介の案件数を増やすには?】
金融機関における人材紹介の件数を増やすにはどうすればよいか?最近そんな質問をよくいただきます。
その問いへの対応として、幹部人材または担当者のいずれかの紹介に特化する場合と、どちらにも注力する場合で前提が異なる部分もありますが、
当事業への取り組みを先行している金融機関では、すでに以下のような取り組みがみられます。


・営業店との連携強化を図る
・取引先への(人材紹介の)アプローチを多角化する
・KPIを設定しPDCAサイクルを通した改善を図る


今回はこれら3点について、推奨と思われる又は参考にしやすいと思われる内容も補足しながら一つひとつご紹介していきたいと思います。



【2. 営業店との連携強化を図る】
人材紹介の案件数を効率的・効果的に増やしていくには、何はともあれ営業店側の理解と協力及び実際のアクションが不可欠であることは異論ないと思います。
一方で、本店の人材紹介担当としても取り組み体制やスキルがまだ十分でない中で、最初から全営業店に対して効率的・効果的な人材紹介業務のアプローチやツールを案内することは難しいと思います。
当然ながら、人材紹介業務に積極的に対応してもらう営業店の数もまた人材紹介へのアプローチやツールも段階的に拡大・改善していくことが現実的であり、この具体的な解決の入り口としては、やはり「勉強会」の実施が有効となってきます。
営業店単位であったり営業店単位であったり括りや規模はそれぞれでよいですが、大切なのはその内容です。
効率的・効果的な結果を得るための営業店向けの勉強会の内容としては、以下の内容が外せません。


①取引先における「人材紹介」の必要性と「営業店」にとってのメリットの訴求
②取引先へのアプローチの仕方及び取次の容易さの理解
③実際の紹介事例や実在する人材のタイプ(正社員・副業プロ人材)の理解
④営業店として得られる手数料の内容や成約へのリードタイム


①の「取引先における人材紹介の必要性」について補足します。
取引先が、有能な人材を獲得する方法として(有料職業紹介である)「人材紹介」自体を知らない、あるいはその有効性を知らない、ということも少なくありません。
ハローワークや数十万から100数十万以上の費用をかけてネット上の求人媒体だけを延々と活用して人材が採れないと悩む取引先はまだまだあります。
これに対して(成約した時だけ料金が発生する)「人材紹介」を使う方が、より有能な人材の採用に向けた効率や効果が高い場合が多いということをまずお伝えすることで、取引先における「人材紹介」への関心は当然上がります。
成果報酬型であり成約しない場合は極端な話、1年活用しても2年活用しても費用がかからないということは、特に求人媒体を活用している会社には説明しやすいと思います。
求人媒体への費用だけでなく人事担当者の採用にかかる工数も削減でき、トータルで発生する費用としても「人材紹介」の方が結果的に低コストとなる場合も少なくありません。
こういう説明を営業店のメンバにも共有していくことで、本来「人材紹介」の存在を知らなかった、関心がなかった取引先からも求人の依頼をいただけることに繋がります。


また営業店にとって「人材紹介」という機会を得ることはフィーである紹介手数料の獲得にとどまりません。
寧ろそれよりも重要で本質的なメリットとして、人材要件の背景や関連課題をヒアリングすることで取引先の内情や詳細課題の把握、そしてその解決に向けた伴走支援の立ち位置の獲得、引いては取引先との関係深化があるということです。


これを外部の事例でも構わないので実例をケーススタディとして説明して理解を得ることで、営業店としての取り組み姿勢は変わってくることが多いと思います。
②③④については提携の人材紹介会社にも協力してもらって協同で実施することが現実的です。
②の内容についは、営業ツール(案内チラシや取引先へのヒアリングシート(課題内容はもちろん求人内容の現実性・妥当性を図る内容含む))の営業店への提供は必須となってきます。
(「両手型」の人材紹介の場合は、提携の人材紹介会社にもアドバイスをもらいつつ最終的には独自のものを作成することが重要です)


なお勉強会の実施対象とする営業店を段階的に増やしていく方法として、最初はトライアルとして協力してもらう営業店を選出することが現実的です。
営業店選出の条件としては、(1)支店長の理解や賛同が得られる (2)人材紹介案件が多く見込めやすい(つまり地方都市圏またはその近隣エリアをカバーしている) の二点が挙げられます。
尤も、勉強会の実施はあくまで人材紹介の案件数向上に向けた最初のステップであり、その後の営業活動に向けては、次に説明する「取引先へのアプローチ」や「KPI設定によるPDCA」が重要となってきます。



【3. 取引先へのアプローチの多角化について】

金融機関の人材紹介への取り組みとしては特に、事業性評価起点で経営幹部人材を紹介していくことにフォーカスすることが望まれますが、一方で収益性や多くの取引先の成長支援への拡がりを考えた場合、
事業性評価起点以外の切り口でも取引先からの人材ニーズへ汎く対応していくことが現実的といえます。今回2つほど取り上げてみたいと思います。


・人材ニーズ起点
・個別課題起点


まず人材ニーズ起点について。勿論ではありますが幹部人材へのニーズは事業性評価先以外にも存在します。
人材ニーズ起点での求人への対応としてもやはり取引先の課題解決への伴走支援という本質にこだわることが大切です。
取引先への初回往訪時はまず人材要件の前提となる経営課題はもとより他の経営課題についても仮説をたてたりしつつ幅広く棚卸しし、課題解決の具体案や優先順位についても討議するプロセスが重要です。
簡易な形でも結構ですのでこれを踏まえた上で、人材要件の最適化をフォローしていきます。
その結果によっては、人材要件が変わることも多々あります。
また「正社員の採用」ではなく「副業プロ人材の活用」に切り替わることも少なくありません。
因みにこのプロセス全体を支えることで、取引先へ新たな気づきを与え、他の課題解決への着手も始まったり、経営者からの信頼を上げたり、と色々な効果が生まれてきます。


「個別課題起点」についても考えてみたいと思います。潜在的な人材ニーズがあるもののそれが可視化されていないという取引先も多々存在します。
事業性評価のタイミングはもとより日頃から営業店が「事業」レベルの課題だけでなく「業務」や「人・組織」の切り口での課題をヒアリングすると、自然とそれらの課題を「人」の採用・活用で解決するきっかけが多く作れる形となります。


先に上げた勉強会等も通しつつ営業店側で実在する「幹部人材」や「副業プロ人材」を把握していれば一歩踏み込んだ説得力ある提案ができるようになります。
その結果、精度のよい「人材紹介」のトスアップへとつながり成約確度のある件数増加に繋がっていきます。



【4. KPI設定とPDCAについて】

本店やグループ会社での人材紹介担当者においても(金融機関によっては営業店においても)KPI設定やPDCAへの取り組みは徐々に着手されていると思います。
しかし具体的に何をどこまで追求すべきかわからない、あるいは運用はしているものの改善に向けた取り組みにまでいたらない、といった悩みもよく聞きます。
正直なところ、体制や進め方をはじめ各金融機関での事情・状況や、地域特性や業種の類まで関係してくるため「これが正解」と一概には言えませんが、取り組みを最適化する際の参考として、以下にKPIの一例を挙げてみます。


まず、KPIについては、事業性評価起点以外の案件もカバーする前提で、以下のような人材紹介業務の一連のプロセスごとの値を扱うことが推奨されます。
「トスアップ件数」「初回訪問件数」「求人作成件数」「うち面接実施件数」「成約件数」


PDCAについては、このKPIの数値の原因分析と改善策を検討するという形かと思います。
件数が少ないと判断した点の原因分析や改善策だけでなく、評価できる点(さらに強化できる点)の分析と施策も含めてPDCAを関係者で繰り返していく事が重要です。
プロセスごとの目標件数設定については、実現したい「成約件数」から遡及し各前工程のプロセス件数を定める方法と、「トスアップ件数」の目標値を設定して次工程以降の目標値を設定する方法が選択できます。
またPDCAにおいては各プロセス間のリードタイムを記録・分析することも、当人材紹介事業の効率や効果、収益性向上に繋げるため必要となりますので、手間であっても必ず運用を確立、定着させていくことが重要です。